皮膚良性腫瘍とは

良性腫瘍は、人体に及ばす影響は軽度とされ、悪性腫瘍のように生命が脅されるということはなく、増殖のスピードも遅く、転移することもありません。ただ、悪性腫瘍と見分けがつかないことも少なくないので、その場合は皮膚生検をするなどして診断をつけるようにします。

また多くは切除する必要はないとされていますが、顔面など外観が気になる、生活上邪魔になるなどの場合、保険適応で切除を行うことが可能です。

皮膚良性腫瘍とは

色素性母斑(ほくろ)

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粉瘤

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脂漏性角化症(老人性疣贅)とは

主に表皮(角化細胞)の細胞から増殖するとされる良性腫瘍で、簡単に言うと皮膚が老化することで発生するいぼのことです。その多くは、老人性色素斑(しみ:紫外線曝露や加齢などによる色素沈着)が進行したものです。中年世代から上の方で発生することが大半です。

主な症状ですが、かゆみや痛みなどの自覚症状がみられることはありません。手のひらと足の裏を除いた全ての部位で発生する可能性があるとされていますが、頭部や顔面、首、体幹部でよく見受けられます。色は褐色、茶色、黒など様々で、大きさは直径5mm~数cm程度が多く、形については平べったいこともあれば、隆起しているものもあります。また表面はザラザラしていることが多いです。なお中心部が潰瘍化していることはありません。

見た目だけで言えば、悪性腫瘍(基底細胞がん、日光角化症、ボーエン病 など)にも似ていることから鑑別診断(ダーモスコピー、皮膚生検 など)が必要なこともあります。

基本的には良性腫瘍なので、よほど大きくならない限りは、切除する必要はありません。ただ患者さまが治療を希望される場合、液体窒素による凍結療法(いぼの切除と同じ)、外科的切除(手術療法)による治療を行うこともあります。